作品ガイド · 2008
映画を最初から最後まで、場面ごとに文章でたどります。これを読めば、話の流れがすべて分かります。
※結末まで、すべてのネタバレを含みます。
アフガニスタンの砂漠を、アメリカ軍の車列が走っている。後ろの車に乗っているのは、兵器会社スターク・インダストリーズの社長トニー・スターク。グラスを片手に冗談を言い、若い兵士たちと写真を撮るなど、戦場にいるとは思えないほどくつろいでいる。
その車列が待ち伏せにあう。爆発が起き、兵士たちが次々に倒れていく。車から逃げ出したトニーの足元に、ミサイルが落ちてくる。そのミサイルには「スターク・インダストリーズ」の文字があった。爆発に巻き込まれ、トニーは胸に大けがをして倒れる。
気がつくと、トニーは目隠しをされ、武装した男たちに囲まれてビデオカメラの前に座らされている。場面はここで、その前の日の出来事にさかのぼる。
ラスベガスで、トニーの功績をたたえる授賞式が開かれている。会場のスクリーンでは、天才少年として育ち、父ハワードの会社を継いだトニーの経歴が紹介される。しかし本人はカジノで遊んでいて会場に来ず、親友で空軍のローディ(ジェームズ・ローズ)が代わりに迎えに行く。賞は、父の代からの共同経営者オバディア・ステインが代わりに受け取る。
会場の外で、雑誌記者のクリスティンがトニーに「死の商人と呼ばれることをどう思うか」と厳しい質問をする。トニーは、武器があるから平和が守られていると軽く言い返し、その夜、彼女と一夜を過ごす。
翌朝、クリスティンを家から送り出すのは、トニーの秘書ペッパー・ポッツ。わがままなトニーの予定を管理し、身の回りの面倒を見ている。トニーは遅刻したまま、アフガニスタンへの出張に向かう。
アフガニスタンでトニーは、軍の人々の前で新型ミサイル「ジェリコ」の試射を見せる。1発で山の斜面が丸ごと吹き飛ぶほどの威力に、軍人たちは驚く。その帰り道に、第1章の襲撃が起きたのだった。
トニーが目を覚ますと、そこは洞窟の中。胸にはバッテリーにつながった電磁石が埋め込まれている。同じく捕まっている医師のインセンが、爆弾の細かい破片が心臓に向かって進まないよう、手術で取り付けてくれたのだった。
トニーを捕まえたのはテロ組織「テン・リングス」の一団で、率いる男はラザ。洞窟の外には、スターク社の武器が山のように積まれている。ラザは、トニーに「ジェリコ」を作れと命じる。断れば命はない。
トニーは、たとえ作っても殺されると分かっていた。そこでインセンと相談し、ミサイルを作るふりをしながら、実は脱出のための鉄のスーツを作り始める。
まずトニーは、車のバッテリーの代わりになる電源として、手のひらサイズの「アーク・リアクター」を作る。会社にある大きな発電装置を小さくしたもので、これで胸の電磁石を動かし、スーツの動力にもする。
作業の合間に、インセンは自分には家族がいたことを話し、トニーに「家族はいるのか」とたずねる。いないと答えるトニーに、インセンは「命を無駄にするな」と語りかける。
なかなか完成しない「ミサイル」に、ラザはいら立ちを見せ、インセンを脅して作業を急がせる。トニーたちは、スーツの起動を急ぐ。
見張りに気づかれ、スーツが起動するまでの時間をかせぐため、インセンが銃を持って洞窟の通路へ飛び出していく。
起動した灰色の鉄のスーツで、トニーは銃弾をはね返しながら進む。倒れているインセンを見つけると、インセンは家族のもとへ行けると言い、「命を無駄にするな」と言い残して息を引き取る。
トニーは火炎放射で洞窟の武器を焼き払い、スーツのロケットで空へ飛び出す。しかしすぐに砂漠に墜落し、スーツはばらばらに壊れる。歩き続けたトニーを、捜索していたローディのヘリコプターが見つける。
アメリカに戻ったトニーは、まずチーズバーガーを食べたいと言い、そのまま記者会見を開く。そこで「スターク・インダストリーズは兵器の製造をやめる」と宣言し、会場は大騒ぎになる。
オバディアは、会社の株価が下がると反対し、トニーを会社の経営から外す動きを見せる。表向きは、トニーのことを心配する父親代わりの顔をしている。
家に戻ったトニーは、洞窟で作った胸の装置を、新しく作った高性能のものと交換する。ペッパーに手伝ってもらい、胸に手を入れて取り替える場面は、2人の距離の近さが分かる場面でもある。古い装置は捨てるよう頼むが、ペッパーはそれを取っておく。
トニーは地下の工房にこもり、人工知能J.A.R.V.I.S.(ジャーヴィス)と一緒に、新しいスーツの開発を始める。銀色の試作品(マーク2)で空を飛ぶ実験では、何度も失敗して壁や天井にぶつかる。ロボットアームのダミーは、消火器を持って待機している。
試作品で夜空を飛んだトニーは、高く上がりすぎてスーツが凍りつき、墜落しかける。この問題を直し、赤と金に塗った完成版(マーク3)を作り上げる。
ペッパーから、トニーが捨てるように言った古いアーク・リアクターが、ケースに入って届く。そこには「トニー・スタークにも心がある」という言葉が添えられていた。
スターク社のパーティーで、トニーはクリスティンから、ある村の写真を見せられる。そこではスターク社の武器を使ったテン・リングスが、村の人々を襲っていた。さらにトニーは、会社の経営から外されたことを知る。
同じパーティーで、トニーとペッパーは一緒に踊り、お互いを意識する。しかしトニーの頭は、村のことでいっぱいだった。
トニーは完成したスーツを着て、アフガニスタンのグルミラ村へ飛ぶ。村人を襲っていたテン・リングスの兵士たちを倒し、スターク社の武器を破壊する。
帰り道、正体不明の飛行物体として空軍の戦闘機に追われる。トニーはローディに電話で正体を明かし、戦闘機の攻撃をかわして逃げ切る。
その頃、テン・リングスのラザは、洞窟に残されたスーツの残骸をオバディアに渡していた。オバディアこそが、裏でテロ組織に武器を売り、トニーを消すよう頼んでいた人物だった。用済みになったラザたちは、オバディアに始末される。
トニーに頼まれたペッパーは、スターク社のコンピューターからデータを盗み出す。そこで、オバディアがテロ組織と取引していた証拠と、トニーの誘拐を依頼した記録を見つける。
会社から逃げ出したペッパーは、何度も話を聞きに来ていた政府組織のエージェント、コールソンに助けを求める。
一方、オバディアはトニーの家に現れ、音波の装置でトニーの体を動けなくし、胸のアーク・リアクターを奪い去る。それがなければトニーは死んでしまう。
トニーは床をはって工房へ向かうが、届かない。そのとき、ロボットアームのダミーが、ペッパーが残しておいた古いリアクターを手渡してくれる。トニーは命をつなぐ。
オバディアは、トニーから奪ったリアクターで、巨大なスーツ「アイアンモンガー」を動かし、ペッパーとコールソンたちに襲いかかる。
トニーはスーツを着て駆けつけるが、古いリアクターでは力が足りない。2人は空高くまで上がって戦い、トニーは、自分が前に悩まされた「凍りつく」弱点をオバディアにぶつけて動きを止める。
それでもオバディアは倒れない。トニーは、会社の屋上の真下にある大型アーク・リアクターに過負荷をかけるよう、ペッパーに頼む。大きな光と爆発に巻き込まれ、オバディアのスーツは倒れる。
次の日の記者会見。コールソンは、空飛ぶ鉄の男は「スターク社のボディガード」だったという説明を用意し、トニーに読ませようとする。
トニーは用意されたカードを読みかけるが、途中でやめて、「本当のことを言うと、私がアイアンマンだ」と自分から正体を明かす。会場は騒然となり、映画はここで終わる。
家に戻ったトニーの前に、眼帯をした男が現れる。S.H.I.E.L.D.の長官ニック・フューリーだ。フューリーは、トニーに「アベンジャーズ計画」の話をしに来たと告げる。